引き取り手のない身元不明死体はどういう扱いになるのか

山の中で自殺していたり、ラブホテルの1室で殺されていたりと、身元不明の死体は、東京都内だけで、1年に100体以上あるそうです。
警察の捜査でも、身元がわからなければ、「行旅病人行路死亡人取扱法」によって、身元不明死体であることが確認されるそうです。しかし、警察には、身元不明死体を保管する場所がないので、すぐに管轄の市区町村の福祉課に引き渡されることになっています。
そして、市区町村が代金を負担して火葬をおこない、お骨は役所が提携しているお寺へ預けられます。お寺では、お骨を1年間保管、その間に引き取り手がなければ、身元不明人の宗教には関係なく、無縁仏として合葬されます。だから、イスラム教徒の身元不明人でも、仏様として葬られるのです。このときの費用は、お寺が負担しているそうです。
ただし、同じ身元不明死体でも、救急車で病院に運ばれる途中で死ぬなど、生きているうちに救急車や医療機関がかかわると、扱いが少し異なります。前述のような市区町村の福祉課ではなく、市区町村の福祉事務所の扱いになります。
しかも、たとえば、港区で救急車に乗り、千代田区の病院へ運ばれた場合、救急車の中で死亡すれば、港区の福祉事務所が、病院で死亡すれば、千代田区の福祉事務所が面倒をみることになるそうです。お役所仕事だけに、死亡した場所が重要なポイントになるのです。
また、そのあとの火葬から埋葬されるまでの経緯は同じですが、費用の支払い法はちがっています。医療機関がかかわって死んだ場合、まず、死者が身につけていた金品から支払われ、足りない分だけが、市区町村の予算から払われます。
発見されたときに、息があるか、ないかのちがいだけで、見事なまでの差がつけられます。さすが、日本のお役所ですね。

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