かつて、日本中の海岸で、砂浜をコンクリートで埋め立てる護岸工事がおこなわれました。
今、それをもとの砂浜に戻す工事が各地でおこなわれています。環境の時代となり、政府が海岸再生事業に力を入れはじめたのです。
人工砂浜をつくるには、まず、コンクリート部分をすべて取りのぞきます。その下からでてくる砂地の上に、新たに砂をまくのです。
新たにまく砂は、通常、港湾工事やダム工事の現場から調達されるが、砂ならなんでもいいというわけではありません。
砂は、細かいほどくずれやすく、傾斜を保ちにくい。だから、細かい砂をまくと、海水によってどんどん削られていきます。砂浜の形をキープするために、新しい砂をしょっちゅう補充しなければならなくなるのです。
かといって、あまりに大きな砂をまくと、その土地の生態系をくずす恐れがあります。そこで、元の砂浜の砂より1割ぐらい大きめの砂が選ばれてまかれています。
ちなみに、100メートルほどの人工砂浜をつくるためには、50億円以上かかるとか。無計画に護岸工事をしたツケは大きいですね……。
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