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武士は、なぜ「切腹」が名誉なのか?

江戸時代の武士にとって、もっとも名誉な死に方といえば、「切腹」でした。罪を犯して死罪となったとき、斬首と切腹では、同じ死罪でもまったく意味が違いました。斬首は、悪人として幕府(国家)から処罰されるということにほかなりませんが、切腹にはそうしたニュアンスは希薄です。
では、なぜ、武士は切腹を名誉だと考えたのでしょうか?
時代考証家の稲垣史生(いながきしせい)氏によれば、当時の武士の間では、人間の魂や感情の源泉は、腹中にあると考えられていたからだといいます。つまり、自ら腹を切るということは、自分のほんとうの魂や感情を披瀝するということになり、ここに、切腹=自分の汚れなき精神を見せるという意味が生まれました。さらに、切腹には武士道からくる名誉の尊重や死を恐れぬ勇気などの意味がつけ加えられ、いよいよ武士の死に方は切腹こそが最高となったのです。
今でも、オジさんたちが「腹を割って話す」のが大好きなのは、その名残りかもしれませんね。

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Categories: 日本史の雑学
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