時代劇に登場する武士はみな、おでこの上の部分を剃っています。時代劇通ならご存じのとおり、月代と呼ばれる部分ですが、なぜ武士は月代を剃っていたのでしょうか?
これは、合戦があったころの名残りです。
日本では、室町時代後半から徳川家康が江戸に幕府を開くまで、1世紀ものあいだ戦国・乱世が続きました。血で血をあらう合戦が頻繁に行われ、鎧、兜に身を包んだ武士たちが戦いに明け暮れていました。
この鎧、兜は、あわせて70キロというしろもの。しかも重いだけでなく、風通しが悪いときています。
とくに、兜の風通しは非常に悪く、すぐに蒸れてしまいます。それを少しでもしのぎやすくするために、額の上の部分すなわち月代を剃ったのです。
時代がくだり、江戸庶民の中にも月代を剃る男が現れましたが、これはただ粋がって剃っていただけです。
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