昔の侍は、刀を左の腰にさしていました。いざというとき、右手で刀を抜くためです。
というと、左利きの武士は刀を右の腰にさしていたと思えますが、現実にはそうする武士はいませんでした。
もともと、刀を振るのは、物を投げるのとは違って、剣術の技術はどちらかの片手の力が大きく影響するものではありません。利き腕だけで力まかせに振り回しても、相手が斬れるものではないのです。いざ相手に打ちこむときは、むしろ左手が強く働き、右手は方向性を定める働きをします。だから、左利きの侍が左の腰にさしても、大きな問題はなかったのです。
これは、やはり両手を使う野球のバッティングと似ていて、右打者は、左手でバット操作して、右手は添える程度。利き手とは逆の左手がうまく使えないと、好打者にはなれないのです。
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