写真やイラストで日本の硬貨を見せるときは、「10」や「100」など、たいてい算用数字が刻んであるほうを表にします。
では、数字が刻んである側が硬貨の表なのかというと、そうではありません。べつに決まりがあるわけではないのですが、造幣局にきいてみると、数字が刻んである側は裏なのです。表は、百円玉なら、桜の花と「日本国」「百円」という文字が刻んであるほうだといいます。
じつは、造幣局がこうした見解を発表するまでには、硬貨の裏表問題は二転三転しています。たとえば明治初期は、元首の象徴とされる竜の絵柄があるほうが表、明治中期から戦前までは、菊のご紋が入っているほうが表とされていましたが、菊のご紋が使えなくなってからは、決め手になるものがなくなってしまったのです。
そこで、造幣局では、「明治30年以来、製造年はつねに裏面に入れられていた」という事実に着目。その反対の、絵柄と「日本国」と刻んであるほうを表とするようになったのです。
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