言葉だけでは「国賓」も「公賓」も、それほど変わらないように思えますが、招待される側もする側も、その意味はかなり違います。
まず「国賓」として招かれる相手は、国王や大統領といった国家元首クラス。歓迎行事を取り仕切るのは宮内庁です。天皇ご臨席のもとで歓迎式典がはなばなしくおこなわれ、晩餐会も天皇が主催して宮中でおこなわれます。首相は午餐会(客をもてなす昼食会)が担当です。
一方、「公賓」として招かれるのは、その国の首相や副大統領、皇太子や皇族など。歓迎行事は外務省が担当し、晩餐会は首相が主催。午餐会は宮中で開かれます。国賓とは昼と夜の担当が逆になるわけです。
国賓や公賓として招かれる客は、年間5人程度に決められています。渡航費用は先方の負担とはいえ、通常3泊4日の滞在費(夫婦と公式随行8〜10人まで)は日本持ちになるなど、なにかとお金がかかるからです。
しかし1989年から「公式実務訪問賓客」という新たな枠組みが設けられ、招待を簡素化し、少しでも多くの要人をもてなせるようになっています。
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