19世紀、フランスの「市民王」と呼ばれたルイ・フィリップは、何度となく暗殺されかかりました。
すべては未遂で済んだのですが、1835年7月28日、7月革命を祝うパレード行進の最中に、フィリップ王暗殺が企てられたときのこと。もちろん、このときも王は、あわやというところで、命拾いしています。
この暗殺計画を立てたのは、ジュゼッペ・マリア・フィエスキという男。パレード行進がよく見える建物から王を狙おうとしたのですが、このとき使った暗殺道具がなんとも珍奇。
それは銃身が24もあるという奇妙な発射装置で、引き金を引くと一斉に銃弾が発射される仕掛けになっていました。
ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たるというヤツか?
一発の銃弾ならはずれることもあるでしょうが、24発同時に撃つのだから、たしかに暗殺成功の確率は高い。
ところが、いざとなったらこの道具、まったく役に立ちませんでした。どうしたわけか王自身はかすり傷も与えられなかったのです。ただまわりにいた者たちに銃弾が当たり、18人が死亡しました。
おまけに、フィエスキ自身も、銃を撃った瞬間に衝撃を受け、大ケガをしたというから、ヘタな鉄砲は、やっぱりヘタなのかもしれません。
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