犬は人間の恩を知るといいますが、こんな恩知らずな犬もいました。
大阪府高槻市でのことです。Sさんは優しい人柄です。雨のなかで濡れそぼって鳴いている1匹の子犬を見捨てることができませんでした。それがこの事件の発端になろうとは、考えてもいなかったでしょう。
この犬、コロと名づけられ可愛がられました。しかし、コロは拾ってもらった恩を感じないどころか、かなりわがままで粗暴な性格だったらしいのです。
縁側で家族の食事のおかずをせびっているうちはまだ可愛げがありましたが、いつのまにか縁側にあがりこみ、庭におりなくなってしまったではありませんか。
もちろん、庭には犬小屋があるのにです。家族はとうとうコロの思いどおりに、玄関にマットレスを敷いてコロの場所にしてやりました。
ところが、この程度のことはまだ序の口でした。コロは食事どきになると、玄関から茶の間にやってくるようになりました。
叱るとキバをむいて威嚇するため、家族は手がだせません。しかたなく、茶の間を開放するうち、ついにはここがコロの居場所となってしまいました。
さらに、この犬は毛の手入れをさせず、風呂も嫌いなことからノミやダニがたかっています。当然、茶の間も汚くなり、とても人がいられる場所ではなくなりました。そのため、とうとうSさんたちは庭にプレハブを建て、そちらに住むはめになってしまいました。
「庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)をとられる」とはまさにこのことでしょうか……。
愛犬家には耳の痛いお話であります。
(Visited 776 times, 1 visits today)