時代劇に出てくる江戸時代の代官といえば、かならず賄賂はとる、庶民は泣かせる悪代官です。本当のところは、どうだったのでしょうか?
代官は、幕府の直轄領(天領)を治めていた行政官。その仕事は、年貢の取り立て、治安維持、治水工事、新田開発、窮民救済などにおよんでいました。
今でいうなら、市長と税務署長と警察署長を兼ねたような役割だったのです。
しかし、代官の仕事を手伝った手付や手代といった部下は、たった20人ほど。これだけの陣容で、五万石から十万石の土地を治めていたのです。
普通の大名は、それだけの領地を治めるのに400名程度の家臣を必要としました。つまり、代官は平常業務をこなすだけで、いつも手一杯の状態で、悪事を働く余裕はなかったといえます。
むろん、代官の中には、年貢徴収で手心を加えるなど、私腹を肥やすものもいました。しかし、そういう悪代官はほんの一握りにすぎなかったようです。
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