ウランといえば原子力発電所の重要なエネルギー源。核分裂を起こして多大なエネルギーを放出するだけでなく、大量の放射能も放出します。では、天然のウラン鉱石を採掘するときに、期せずして被曝してしまうということはないのでしょうか。
天然ウランは、分裂しやすいウランと、分裂しにくいウランで構成されています。しかし、分裂しやすいもの、つまり放射能をたくさん放出する「ウラン235」は、わずか0.7パーセントしか含まれていません。残りはほとんど分裂しない「ウラン238」です。
そのため、ウラン鉱石を1トン集めたとしても、核燃料としてのウランはほんのわずか。いわゆる「死の灰」といわれる放射能レベルは、ウラン1グラムで数万キュリーにもなりますが、ウラン鉱石は1トンでも数十キュリーにしかなりません。そのため、ウラン燃料自体は原子炉に入るまでは安全といわれています。
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