トンカツに限らず、アジフライ、メンチカツなど、洋食店のフライものには、キャベツの千切りがついてくるものです。
この組み合わせが生まれたのは、昔は日本人の舌に合う生野菜が他にはなかったからといえます。
そもそも、江戸時代の人たちは、野菜を生では食べませんでした。煮たり、漬けたり、野菜に塩味をきかせて食べるのが普通でした。
ところが、明治時代になって、西洋料理とともに新しい野菜がどんどん入ってきました。とくに、フライものには、生野菜をつけるのが西洋の常識でしたが、当時の日本人には、ほとんどの生野菜は口に合いませんでした。唯一キャベツだけが気にいられ、付け合わせとして添えられることになったのです。
明治時代の人々の好みによって、フライものにはキャベツの千切りというスタイルが生まれたわけです。
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