バーやスナックの女性店主は「ママ」と呼ばれますが、日本に、この手の飲食店ができた当時は、「マダム」と呼ぶのがふつうでした。それがいつのころからか、店で働くホステスたちが女性店主のことを親愛をこめて「ママ」と呼ぶようになり、そのうち、常連客たちもホステスと一緒になって「ママ」と呼ぶようになりました。
いっぽう、店主が男性の場合は「マスタ-」と呼びますが、これは昔から変わりません。マスターに「パパ」と呼びかけるホステスなど、だれもいなかったからです。
賢明なホステスたちは「パパ」という呼び方は羽振りのいい中年客用にとっておきました。
彼らは「パパぁ」と呼ばれると、父性本能をくすぐられるのか、いそいそと財布のひもをゆるめる習性があるからです。
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