カンガルーの子供はひとり立ちできるまで、長い間、母親の袋のなかで育てられます。生まれたてのカンガルーは体長が1〜2センチしかなく、重さも1グラム程度。毛虫よりも小さいのです。
袋の内側にはやわらかい毛が密生し、母親の体温でいつも適温に保たれています。あの袋は、ちょっとした保育器なみの機能を備えているのです。
そのなかで、カンガルーの子供はオッパイを飲み、眠くなったら心ゆくまで眠ります。もちろん、オシッコやウンチもたれ流しといった状態です。すこし育った、よちよち歩きの子供カンガルーは、出たり入ったりするので、泥やゴミが入りこむことも多いのです。
このため、カンガルーの母親は、ときどき袋の掃除をします。あの袋は、ゴムのように大きく伸びるので、袋の外側を下にひっぱりおろして内側を自分でなめまわすのです。
これで、袋はいつも清潔に保たれます。これこそが、カンガルーの「お袋」の子育てです。
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