地球上では毎日のように動植物が絶滅している、といわれていますが、執拗に探せば幻といわれる植物だって発見できる可能性もあります。
1991年、植物学者のグループが、絶滅したといわれるラン科の一種を探し求めて、4日間ニュージーランドの泥炭地をさまよいました。ところが、それらしきものはみつかるのですが、どれもこれもちがう種類。幻のランはとうとう発見できませんでした。
「もう、ダメだ。あきらめよう」
絶望感と疲労のなかで、彼らは昼食をとることにしました。なにげなく、草むらに腰をおろすとなんだか妙な感触が。
そこにはなんと、あれほど探し求めていたランが……。そこは幻のランの自生地だったのです。
お尻の下になったランは、めげることなくピンピンしており、そのまわりでも、さらに14株ものランがみつかりました。この花は1年に2日しか咲かないという珍種で、発見した植物学者のグループはこの場所を明示せず、ふたたび赤い花が咲くのを心待ちにしているといいます。
探し求めたものはすぐそばにあった。なにやらメーテルリンクの『青い鳥』のお話のようですね。
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