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KGBのワナにはめられなかったスカルノ氏の才知

インドネシア大統領だった故アーメド・スカルノ、というよりデビ夫人の夫といったほうが日本人にはわかりやすいかもしれません。
1970年に69歳で死んだ彼は、政治家としても名を馳せましたが、女性好きでも有名だった人物です。
その彼が、大統領時代にモスクワを訪問したときのことです。
ソ連の謀報機関であるKGBが、いつものように女性を使って罠を仕掛けようとしたことがあります。
つまり、彼の部屋に女性たちを送りこんで、ベッドで楽しんでいるところを写真におさめます。それをネタに脅して、欲しい情報を手に入れようというのです。KGBの計画どおり、大統領のスイートルームには、何人もの美女が派遣されました。
そして、ことはKGBの思惑どおりに進行しました。彼はまんまと罠にはまってしまったのです。後日、ソ連側はこのときの写真を大統領の目の前に差し出しました。
が、スカルノ大統領は堂々としたもの。逆にうろたえたのはKGBのほうでした。大統領がこういったからです。
「国のみんなに見せたいから、フィルムのコピーが欲しい。国民は私を誇りに思うだろう」
お国柄のちがいで、KGBの汚い手口はまったく通用しなかったわけだそうです。

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