会社には、自分が出世するために、必死になってライバルを蹴落とそうとする人間がいるものです。おかげで、社内には、さまざまな罠や派閥争いが渦巻いていたりします。
アメリカのゼネラル・モーターズ社でも、そんな熾烈な派閥争いが展開されていました。デロリアンという若手のホープが、ポンティアック部門を成功させ、シボレー部門に昇進したばかりのころのことです。
ある会議の席上で、彼にやっかみをもったエド・コールという男が、ネチネチとつまらない話題をもちだしたのです。たとえば、「日曜日に性能試験場で働く運転手の数は?」などという細かさ。自分のほうが仕事に通じていることをアピールしようとしたのです。実際、彼はかつて、同じやり方でライバルを葬り去ったこともあります。
まわりの人間はとても若いデロリアンがそんな話題に通じているとは思えないから、彼の狼狽ぶりをみようと、おもしろおかしく見守っていました。ところが、デロリアンは、そんな質問にはビクともせず、堂々とこういったのです。
「そんなつまらない詮索をするのに、時間を浪費していたら、この部門は私が着任する前の状態にもどってしまいます」
さすがのエド・コールも、この答えにはぐうの音も出ず、あっさり撃退されてしまいました。不利な場面を有利にかえてしまう、そんな才能も、出世の大事な要素かもしれません。
ゼネラルモーターズが今日あるのはこんな人材のおかげです
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