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太平洋戦争最大の奇跡、キスカ撤退作戦とは

ミッドウェー海戦で大敗したあと、日本軍は太平洋の制海権と制空権を失い、太平洋とベーリング海をへだてるアリューシャン列島とアッツ島も米軍に奪回されてしまいました。
そこで、日本軍は、昭和18年7月、キスカ島に駐留させていた守備隊6000人を艦艇に乗せて撤退する作戦を敢行することにしました。
一方米軍はキスカ島を包囲、ネズミ1匹もはいだせないような厳重な譽戒網をしきました。このため、キスカ島にむかおうとした味方救出の日本艦艇も近づけません。
ついに、8月1日になって、米軍の一斉攻撃が開始されました。空からの爆撃、海からは艦砲射撃が火を噴きます。キスカ島にとじこめられた日本軍は心身ともに衰弱、反撃の力はないと判断したのです。
2週間、連日にわたる激しい攻撃。これでは日本軍もひとたまりもないでしょう。8月15日、満を持して米軍は上陸。累々と横たわる敵の死体を想像しましたが……。
驚いたことに、島には人っ子ひとりいません。ただ飼い犬が1匹、むなしく吠えるだけでした。そればかりでなく、逆に米軍は同志討ちを演じて、死傷者50人以上をだしたのです。
じつは、米軍の一斉攻撃を予想した日本軍は濃霧が出た7月29日の午後、霧にかくれて撤退を敢行。全員無事に脱出に成功していたのでした。

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