ちょっとした運に助けられ、決闘で命が助かった男がいます。テネシー州ナッシュビルのアンドリュー・ジャクソンという男です。
決闘がおこなわれたのは、1806年5月21日の明け方でした。相手は早撃ちが自慢のチャールズ・ディッキンソンです。
ちゃんと紳士の流儀にのっとった決闘ですから、立ち会い人がいてその合図でおこなわれました。双方の距離は約8メートル。
結局、相手を仕留めたのはジャクソンでした。先に撃ったディッキンソンの弾は胸に当たりましたが、致命傷にはなりませんでした。
しかし、それは心臓からわずかにはずれただけだったというから、運がいい。驚くほどやせていたジャクソンが、たまたまダブダブのマントを着ていたため、狙いが狂ったのです。
この運のいい男が、のちのアメリカ合衆国第7代大統領アンドリュー・ジャクソンです。
さて、こんなジャクソンが大統領になってから暴漢に銃で狙われたことがあります。
およそ4メートルの距離から1発目の引き金が引かれました。が、これが運よく不発。
暴漢はさらに2メートル近くまで迫って、もう1挺の銃の引き金を引きました。信じられないことに、これも不発でした。
後になって不発の原因は、2挺とも火薬が湿っていたためということがわかりました。12万5000分の1の確率でしかありえないという偶然が、ジャクソンの身に起こったのです。
史上最強運の大統領というわけです。
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