侍、侍といばっていても、経済的にはなかなか大変だったようです。下級武士、浪人、足軽、中間らはいうにおよばず、上級武士の生活もけっして楽なものではありませんでした。たとえば、200石取りの侍を例にとってみましょう。これを貨幣換算すると、年収はおよそ80両になります。
この中から、日常の生活費、足軽や中間、女中らの人件費をまかなわなければなりません。古くなった武器を新調する必要もあります。
そのため、ふだんの侍の財布の中は寂しいものでした。だいたい一分や二分しか持ち歩かなかったようです。一分は現在のお金に直すと、数千円程度です。
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