大阪ずしの代表、「バッテラ」。サバの押しずしのことです。これは細長い木箱に酢飯を詰め、上に酢でしめたサバと薄くそいだ昆布をのせ、上から押したものです。
このサバの押しずしを「バッテラ」と呼ぶのは、次のようなエピソードに由来します。
明治20年代、コノシロという魚をしめて、ボートのような形にして売り出した寿司屋がいました。現在の四角いバッテラより、もっと船の形に近かったようで、ボートのことをポルトガル語で「バッテラ」と呼ぶため、誰からともなく、「バッテラ二隻おくれんか」などというようになりました。やがて「バッテラ」が正式な呼び名のようになったのです。
そのうち、コノシロがサバに代わり、形もボート形ではなく、細長い角形になったのですが、名前だけはそのまま残りました。
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