馬はひじょうに頭がいい動物です。騎手の技量も見分けるというし、騎手がよろこんでいるか、がっかりしているかという気持ちもちゃんとわかるといいます。
ならば、勝つ気満々でレースにのぞんでいる騎手の気持ちを察知して、馬も勝つ気で走っているといえそうなもの。しかし、残念ながら、馬の意識のなかには、レースの勝敗、つまり相手の馬と競走しているという意識はないといわれています。
閉じ込められていた厩舎から急に引っ張り出され、群れの暴走のような中で、騎手に追われてとにかく前に走ることだけに集中している――これが競走馬の本音なのです。
最後の直線で全力疾走するのは、まわりの馬に勝つためというより、騎手をよろこばせるためにがんばっているのだとか。まあ、それでもなかなか見上げた根性とはいえますね。
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