ホッキョクグマは、その名のとおり、北極を中心とした地域に生息しています。いうまでもなく、氷山がプカプカ浮かび、流氷漂う極寒地帯です。
その地で生きるため、ホッキョクグマの「防寒対策」には念が入っています。まず、体毛からして2重構造。上毛の下に短い下毛が密生し、冷水や寒風をシャットアウトします。
つまり、ホッキョクグマの辞書には「寒い」という言葉はありません。北極圏の寒さから、冬眠という形で逃げだす必要はないわけです。
ただ、ホッキョクグマも冬眠しないことはありません。それはもっぱら、食糧事情のためです。北極圏のなかでも、食糧が豊かな地域とそうでない地域があります。食糧の乏しい地域に住むホッキョクグマは、ヒグマなどと同様、冬眠をし、省エネを試みるようです。
一方、食糧がふんだんにある地域のホッキョクグマは冬眠をしません。日々、草、苔まで食べる雑食性を発揮して、寝る間をおしんで採食活動に努めているのです。
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