「万年雪」というくらいだから、何万年にもまえに降った雪なのでしょうか……。
そう思うのももっともですが、万年雪は1万年や2万年も前に降り積もったものではありません。これももっともな話で、もし万年雪が1万年も溶けていないのなら、地球全体が雪におおわれてしまっているはずです。
万年雪は、実は下からどんどん溶けているのです。もちろん、下からなので、太陽の光で溶けるわけではありません。もっぱら、万年雪を溶かすのは地球の地熱の働きなのです。
新しく降る雪の分くらいは溶けていきます。
つまり、万年雪は下になった古いものから水と消えていき、つねに新鮮な雪が補給されています。人間でいえば、新陳代謝が活発な状態のようなものです。
現在、地球温暖化の影響で、北半球の気温はしだいに高くなっています。この傾向が強くなると、当然、万年雪の溶解も加速度がつき、海水の量が増えていくかもしれません。もし、万年雪が「1年雪」にでもなったら、地球は一大パニックに見舞われることまちがいないでしょう。
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