マルサの恐さを身にしみたカジノオーナーの転落

「俄(にわか)長者は俄乞食」ということわざがあります。大もうけをすれば、それにみあうだけ、どっさり損をするという意味です。ラスベガスのカジノ・オーナーであった吉田保夫(仮名)はこのことわざを地でいくような人物。
彼は父親の不動産賃貸業を受け継いで実業家としてスタートしました。
そして、昭和59年に東京・原宿にあるアパートを売却し、この取引でなんと300億円近い売却益を得たのです。
彼はこの資金で、アメリカへ進出。ラスベガスの目抜き通りにある「アラジンホテル」を約105億円で買収しました。翌年には監査の厳しいカジノ・ライセンスを取得、吉田氏のビジネスは順風満帆のようにみえました。
彼は「時代の寵児」とまでいわれ、ビジネス界の注目を集めていたのです。
しかし、いつまでもそんないいことばかりはつづきませんでした。
派手な活動をしていた吉田氏は国税局から目をつけられ、240億円という申告漏れのあったことが判明してしまいます。
このため、120億円という空前の高額追徴課税処分を受けてしまったのです。
これがつまずきのはじまりで、その後、彼の不動産売買や海外投資の勝負の勘は狂ってしまいます。ついには資金がショートして、病気療養中の身に。天をつく勢いも地に落ちてしまったのです。

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