うつくしい岩場やサンゴ礁、そこでたわむれる魚たちが、ホンモノの海底さながらに再現された水族館は、見ているだけで思わずうっとりします。じつはあの中にイミテーションがあります。魚たちはもちろんホンモノですが、サンゴと岩場は、作り物というケースが多いのです。
サンゴはご存じのとおり、海底で長い年月をかけてつくられます。その貴重なサンゴ礁を水族館をつくるという理由だけで、壊して持ってくるわけにはいきません。
一方、岩場は、簡単には動かせないため、ホンモノは使いません。水族館はときどき中のレイアウトを変えています。そんなとき本物の岩では重すぎて人の力では動かせないのです。
とはいえ、偽サンゴも偽岩場もかなり精巧にできています。飼育係が現地に行って細かい部分を観察し、専門の業者に厳しく注文してつくりあげているからです。当の魚でさえ気づかずに、偽サンゴをついばむこともあるほどだそうです。
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