洋画のスクリーンにあらわれる字幕は、独特の書体をしていますが、あの文字は、明朝体やゴチック体のような既成の文字ではありません。
「タイトル・ライター」と呼ばれる専門家が、1本の映画につき1000くらいあるセリフを、すべて手書きしているのです。
ただ、あの耆体にはいくつかルールがあります。
たとえば、「日」や「国」といったようにカドが四角く閉じられた文字は、左上や右下の1か所に隙間をあけます。「書」のように線が何本も平行している場合は、あいだを線の太さよりも大きくあけてあります。こうした細かいルールに従うと、あの「字幕文字」ができあがるのです。
タイトル・ライターが書いた文字は、凸版印刷の要領で、フィルムの上に文字の形を打ちつけます。凸版をフィルムからはがすとき膜面がはがれやすいため、文字に切れ目を入れるといった独特のルールが生まれたのです。
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