プー太郎から弁護士へ、でもこんなハズじゃなかった

定職をもたない男と同棲しているとなると、女としては、将来に不安を感じるもの。T子の場合は、同棲中の彼が司法試験に4浪中のプー太郎だったうえ、突然胃カイヨウで入院してしまうという二重苦。
そろそろ別れようかと迷っていたT子でしたが、そうなるとかえって見捨てることができず、昼間はスーパーのレジ、夜は喫茶店で働いて、生活を支えました。そんなT子に、彼は感激。
「退院したら正式に結婚しよう。オレ、もう弁護士はあきらめて、仕事さがすよ」
彼のお母さんも、
「あなたのようなやさしい人が結婚してくれれば、あのコもバカな望みは捨てるでしょう」
とT子を説得。情にほだされて、いざ結婚してみると、なんと夫は、「これが最後」と5度目に受けた司法試験に逆転合格。T子は晴れて弁護士の妻になりました。
ところが、逆転したのは経済面だけではなかったのです。
「オレ、結婚早まったかなあ」
夫の態度までが逆転し急に冷たくなってしまったのです。しかも、お姑さんまで、
「今年は合格すると信じていたのよ」
などといいだす始末。
ふたりのゲンキンさに、T子はあきれはてていたようです。

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