1991年、岐阜県高富町で、法の網をまんまとくぐり抜けていた悪徳助役が、よもやの恐喝罪で逆転逮捕されるという事件が起こりました。
逮捕された中村光前助役は、権勢欲の強いやり手の人物で、以前から助役の座をねらっていました。これに目をつけたのが、当時の町議会議長で反町長派の急先鋒だった玉井直道ら。
「助役にならないか」ともちかけ、その見返りとして300万円を要求したのです。
中村は金をだし、玉井らは、議会の同意見をバックに、中村を助役にするよう、町長にしぶしぶ認めさせました。
願いかなった中村助役はワンマンなため、庁内では評判が悪い。そのうえ、ワイロで助役になったというウワサもひそかにささやかれていました。
4年後、悪評のために再任があぶないとなると、彼は玉井議長に迫りました。
「再任できなかったら300万円返せ。おれは時効だが、あんたらは逮捕される。出るところに出るぞ」
これが警察の耳にはいり、玉井議長らは収賄罪で逮捕。贈賄容疑の中村助役は、ひとりだけ時効で安泰のはずでしたが、玉井議長に口走ったセリフがもとで暗転。
その言葉が「脅し」と受けとられ、恐喝罪で逮捕されたというわけです。
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