日本人は、なぜ貯蓄が大好きなのか?

日本人の国民資産は1400兆円といわれます。日本人は貯蓄好きといわれる所以ですが、つい150年ほど前、まだ福祉といった概念も年金という制度もなかった江戸時代には、貯蓄に励むような日本人はほとんどいませんでした。江戸っ子は宵越しのカネを持たないといわれたように、お金を貯めて喜んでいるのは、高利貸しくらいのものだったのです。
日本人が貯蓄が好きになったのは明治に入ってからだといわれます。明治政府は全国に郵便局を設置し、郵便貯金制度の導入を開始しました。要するに、郵便貯金で集めたお金をプールして、国家のために使うという大プロジェクトです。このとき尖兵となったのが、特定郵便局。これは、全国各地の資産家や名望家に郵便局を設置するための土地を提供させ、かわりにその人物を郵便局長に任命した郵便局のことですが、こうした人物を局長とする郵便局をつくれば、たしかにお金が集めやすくなります。
かくして日本人は、徐々に貯蓄という習慣を身につけ、わずか100年ほどで、世界一貯蓄好きな民族になっていったというわけです。

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