外国要人との首脳会談では、マスコミをシャットアウトし、首脳同士サシで行われることがあります。こんな場合、同席していた通訳が、そこで重大な秘密を知ってしまったとしたら……。
自分だけ知っていると思うと、誰かに言いたくなるのが人情です。通訳者も、ポロリと周囲に漏らしたり、マスコミの強引な取材を受けて、つい話してしまいそうですが、そういうことはまずありえません。
当然のごとく、通訳にとって「守秘義務」は絶対のものです。仕事を通じて知り得た情報を公開することは決してありません。しかも、首脳や天皇陛下などが他国の要人と会談するときの通訳は外務省職員と決まっています。彼らは国家公務員だから、現職の場合はもちろん、退職後も絶対的な守秘義務があるのです。
外務省では、主要な外国語ごとに複数の通訳をプールしています。そして、首脳会談は誰、天皇陛下なら誰、というように組み合わせも考慮し、信頼のおける人物を通訳に充てて万全の体制を整えているのです。
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