第二次世界大戦も終局にむかいつつありました、1945年4月のこと。アメリカの偉大な大統領ルーズベルトが死亡したために、突然大統領の座が舞いこんだのが、当時副大統領だったハリー・S・トルーマン。
そして、3年後の1948年には第41回の大統領選挙がおこなわれました。このとき、共和党が捲土重来(けんどじゅうらい)を期して指名したのがデューイ。
民主党はトルーマンを再指名しましたが、前のルーズベルトがあまりに偉大だったために、どうしても小物のイメージがつきまとう彼は、ひじょうに不利な状況でした。
しかも、世間は16年にわたった民主党支配にあきあきしていて、世論調査でもデューイの勝利は揺るがないものと思われていたのです。
しかし、フタを開けてみると、なんとトルーマンがからくも逃げきり、ふたたび大統領の座につくことになりました。その接戦ぶりは相当なもので、新聞のなかには「デューイ勝利」と、大見出しで誤報したところまであったぐらいです。
人びとは、奇跡の大逆転劇と騒ぎましたが、じつはこの勝利にはちゃんとしたワケがありました。
ちょうどその年にイスラエルが国連の議決によって成立したのですが、トルーマンはイスラエル建国に大きな力を貸し、恩を売ることによって、600万人といわれるアメリカのユダヤ人の票を集めたのです。
作戦がみごとに功を奏し、その結果、ふたたび大統領の座についたというわけです。ルーズベルトの死といい、イスラエルの建国といい、時代はトルーマンの味方だったようです。
大統領選で逆転勝利をつかんだトルーマンの秘密とは
(Visited 491 times, 1 visits today)
Comments are closed