奥の手には奥の手、3次方程式の解法巡り大熱戦

15世紀後半から16世紀にかけて、ヨーロッパでは数学の試合がさかんにおこなわれました。ふたりの競技者(数学者)が互いに相手に問題をだしあい、一定期間内に解けた題数で勝負を競うというものです。
1535年、イタリアでフィオルとタルターリアというふたりの数学者が、30題ずつをだしあい、試合をしました。
このときフィオルは自信満々でした。というのも、彼は、9年前に他界した師匠のデル・フェロから、当時まだ解法が公開されていなかった3次方程式のある解き方を、ひそかに伝授されていたからです。
そして、タルターリアにその3次方程式の問題をだしたのです。解法のわからないタルターリアに解けるわけがありません。
というのも当時の数学者は、ある問題の解がわかっていてもそれを発表せずに秘密にし、数学試合につかおうとしたからです。
デル・フェロも3次方程式の解がわかっていましたが、秘密にしているうちに死んでしまったのです。フィオルはその秘密の解を授かっていたので、タルターリアとの試合に自信をもって臨みました。
ところが、あにはからんや、タルターリアはフィオルがだした3次方程式をすべて解いてしまったではありませんか。じつはタルターリアはかねてから3次方程式の研究に没頭、一般的解法を発見していたのです。

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