10万フランを巡り、貧乏人と金持ちの運命はこう変わった

宝くじで1億円当たったら?庶民にとっては夢のような金額ですが、それをはした金くらいにしか感じない大金持ちもいるでしょう。この感覚の差が、時として命とりにまでなることもあります。
19世紀、フランスはリヨンの億万長者、ヒューグ・ジャッケトンは、経済状況の変動でお金の価値が大幅に下落し、自分の全財産が10万フランに落ちてしまったのを知ったとき、あまりのショックで卒倒し、そのまま死んでしまいました。
さて、この彼をショック死させた10万フランの行方はというと、ジャッケトンの甥がつぐことになりました。いくら下落したとはいえ、10万フランは当時の庶民にとってみればかなりの大金。降ってわいたような幸運に、多少のうしろめたさを感じながらも、彼は狂喜しました。
ところが、彼は自分の幸福に耐えることができなかったのです。というのも、彼の境遇がいけませんでした。
彼はそれまでずっと貧乏に悩まされてきたので、10万フランもの大金は、一生縁のないお金だと思っていました。だから叔父の財産10万フランを継承することを申し渡されたとき、うれしさのあまりショックで天に召されてしまったのです。なんという不運……。そして、なんという因縁でしょう。

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