19世紀のイギリスの大金持ちに、フィッツジェラルド家があります。この一家の1人で、牧師だったジョン・フィッツジェラルドはものすごい変人でした。
ある日、彼がウェールズ駅で列車を待っていたときもこんなことがありました。列車が入ってくると、ていねいに駅員が彼に声をかけてくれました。
「列車が来ます」と。
ところが、彼が列車に乗りこもうとしないので、駅員はふたたび、列車が入って来たことを知らせました。しかし、それでも彼はそこに立ったまま動きません。
結局、列車が出発してしまうと、フィッツジェラルドは荷物をもつように使用人にいって、さっさとホテルに引き返していったそうです。
この変人牧師には、こんな話はかぞえられないほどたくさんあります。
教会での説教のとき、なぜかいつも片方の足だけで立っていたそうですし、興奮してくるとロウソクを振りまわしながら説教をしたといいます。いったい、なにを考えていたのやら。
ところで、列車の話ですが、その夜、びっくりする知らせが入りました。変人牧師が乗らなかった列車が大事故を起こしたというのです。
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