M子とK子は、同じブティックで働く販売員(ハウスマヌカン)。ふたりとも成績優秀で、つねに売上げのトップ争いをしていました。
そんなある日のことです。ちょうどM子とK子のふたりで店番をしていたときに、ひとりの女性がはいってきました。
M子が近よって、「いかがですか?」と声をかけてみると、いかにも買う気ムンムンの様子。「しめた!」とばかりに、がっちり
この客にくいついたM子は、あれこれすすめてみましたが、その客が「これがいい」ととりあげた洋服は、かなり細めで、ちょっと太った彼女にはとてもじゃありませんがはいりそうもないものでした。
「もっとゆとりのあるほうが……」
といっても、あくまで着たいといいはるので、試着させてみると、案の定、その服は彼女のお肉で破れそう。M子は、思わず、
「やっぱり」
とつぶやいてしまったのです。
これで怒らない客はいない。そのとたん、彼女はM子には見むきもせず、奥にいたK子を相手に、ほかの服を試着しはじめたのです。
ところが、今度はその服がぴったり。気をよくした彼女は、アクセサリーから靴までポンポン買い物して、売上げはすべてK子にさらわれてしまったのです。
たった一言で、おいしい客を逃がしてしまったM子。このどんでん返しで、それまでリードしていた売上げは、あっさりK子に抜かれてしまったのです……。
凌ぎを削る売上げ争い、ハウスマヌカンの明暗わけた一言
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