世界じゅうのほとんどの国で、犯罪にたいする時効の制度があります。
ある期間をすぎれば罪を問えなくなるというもので、そのためにこれをめぐって犯罪者と捜査当局とのギリギリのドラマが演じられることがあります。
1953年当時、アメリカのマサチューセッツ州では銀行強盗の時効が3年ときめられていました。そのため、3年前の1950年1月17日に起こった、史上最大の銀行強盗事件も、その年の1月17日をもって時効となることがきまっていました。
この強盗事件とは、ボストンのブリンクス銀行が、7人の強盗に襲われた事件です。一味は、ハロウィンのグロテスクな覆面をかぶり、手袋をはめ、オーバーシューズをはき、海軍のピーコートを着るという異様な格好でした。
彼らは金庫室の5人の出納係をしばりあげると、総額277万ドル余りを強奪したのです。
事件後、FBIや地方警察が必死で捜査した結果、容疑者は浮かんだものの証拠はみつかりません。
時効期限は刻々と迫ります。「もはや万事休す」。捜査陣のあいだにも、そんなあきらめムードがただよいました。
ところがいよいよ時効まであと11日という土壇場の1月6日になって、一味のひとりスペックス・オキーフがわけまえを仲間にダマしとられたことに腹を立て密告してきたのです。
時効11日前にして親玉のアンソニー・ピノを中心とする、総勢11人のギャングが捕まってしまったのであります。
時効目前にして捕まった銀行強盗のお粗末とは
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