なぜベニスのゴンドラは真っ黒?

「水の都」として知られるイタリアのベニスは、176の運河と123の島からできています。それらの間を約400もの橋が渡っていますが、これらの橋の多くは、19世紀以降につくられたもの。
その昔は、無数の小舟が人や物資を乗せて行き来していました。
船底が平たく、船の高さが低い細身のゴンドラが生まれたのは、狭い運河を航行するためでした。16世紀のベニスには、1万隻をこえるゴンドラがあったといわれます。
当時のゴンドラは、舟全体が赤、青、金色などに塗られ、華やかさを競っていました。船室には、当時の超高級品だったガラス窓がはめこまれ、大理石の椅子にビロードや錦の豪著なクッション、船底はペルシャ絨毯が敷きつめられていたといいます。
ところが、そういう贄沢ぶりがエスカレートしすぎ、ベネチア政府は「贄沢取締り委員会」を組織し、「船体は黒に統一すること。船室のおおいも黒いラシャ以外は使用しないこと」という法令をつくったのです。
以来、ベニスのゴンドラは黒一色となったのです。

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