イタリアの楽観主義者には、ベニスが水没するより、東京の大地震のほうが先だろうという声もあります。しかし、ベニスは、現実に過去1200年のあいだに、なんと1.4メートルが水没。さらに、いまから1000年後には、3メートルは海に沈むといわれています。ベニスが、もともと、アドリア海の干潟、泥湿地帯に人工的につくられた街だからです。
ベニスが建設されたのは、800年ごろ。ベネト族がローマ帝国との戦争を機に、外海からも陸地からも遠くて安全と、干潟のうえに建設した都市なのです。
まず、干潟に直径20センチ、長さ2〜5メートルの木の杭を打ち、その上に石を敷きました。そして、土台をしっかりさせてから、レンガを積んで、家を建てたのです。
ところが、いちばん下が泥湿地帯なので、地盤は徐々に沈下します。しかも、内陸部の工場が、地下水をくみ上げて、それに拍車がかかりました。さらに、ゴンドラにかわって、運河をいくモーターボートのたてる波で、土台の石を浸食。とどめは地球温暖化による海面上昇。いよいよ水没は進行しているのです。
すでに、住居の1階部分は使用不可能になり、人々は内陸に移り住んでいるほど。このままいけば、西暦4000年には、ベニスは、完全に水没し、消えてなくなるといわれています。
ベニスはいずれ水没し、本当に消えてなくなるのか
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