1940年にイギリスでうまれた作家のジェフリー・アーチャー氏は、まるで順風満帆を絵に書いたような人生をおくっていました。
なにしろ、彼は名門のオックスフォード大学を卒業した秀才。しかも、スポーツでも目ざましい才能を発揮して、24歳から26歳までは、イギリスきってのランナーだったのです。
そのうえ、26歳にしてロンドンの市議会議員に当選し、その3年後には国会議員にまで当選。裕福なうえに、人びとからは尊敬され、輝くような毎日でした。
ところが、1973年、33歳の彼は、突然とんでもない不幸に見舞われます。
カナダの某会社に100万ドルを投資したのでしたが、これが詐欺にあったのです。
彼の手に残った株券は一銭の価値もなく、アーチャー氏はいきなり無一文になってしまいました。おかげで、つぎの選挙に出馬する資金もなくなってしまい、国会議員の座まで失うことになったのです。
それまでが順調だっただけに彼の落ちこみようは相当なものでした。そこで、その腹立ちを創作にぶつけ、『百万ドルを取り返せ!』という、詐欺の小説を書きあげたのです。
すると、今度はその小説が大ヒット。彼は100万ドルどころか、莫大なお金を手に入れ、またまた順風満帆な人生を歩みはじめたのです。
不幸と幸せは、まさに背中あわせということでしょうか。
降りかかった凶運を吉運に変えた作家の才覚
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