死ぬ前にもう一度、外の空気に触れたかった、と思ったかどうかわかりません。ところが、死のほうがかなり近くなってから、ギリギリ現実の世界にもどった女性がいます。
1985年、アメリカのアリス・コリンズという93歳の女性が、植物状態から目を覚ましました。
それも、なんと75年ぶりにです。医者がいわなくても、とてもふつうでは考えられないようなことです。
1891年にサウスカロライナ州で生まれた彼女は、1909年10月、18歳のときに階段から落ちてしまいました。以来、植物状態のまま、ずっとベッドに横たわっていたのです。
それが突然、ふと目を覚ますように意識が回復したのです。しかも彼女には、意識を失う前の記憶が鮮明に残っていました。
そのため、自分が75年もの間、意識を失っていたとは思いもよらなかったらしいのです。自分はまだ18歳で、年号は1909年、つまり、なにもかも意識を失った当時のままだと思ったのでした。
だから彼女にとっては、明かりといえばガス灯、大統領はルーズベルトだし、1901年のマッキンレー大統領の暗殺や、1903年のライト兄弟の初飛行などは、まったく記憶に新しいことだったのです。
なぜ意識が突然回復したのか、医学的には解明されていません。が、あまりにもわずかな将来は、はたして彼女に喜びを与えられたのでしょうか?
老女はなぜ75年後に死の淵から生き返れたのか
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