京都や兵庫に行くと、奇妙な光景に出くわすことがあります。周囲の民家の屋根よりも高いところを、川が流れているのです。たとえば、京都では青谷川、不動川、玉川の流域。兵庫では夙(しゅく)川、芦屋川の流域でよく見られます。
このように、周囲の平地より高いところを流れる川を「天井川」と呼びます。
大雨が降ると、濁流が堤防を越えて流れだし、大水害が起きます。道路や鉄道をつくる邪魔にもなります。天井川は危険視され、迷惑がられている存在ですが、天井川も、昔はふつうに周囲の土地より低いところを流れていました。それがいったいどうして、10メートルもせりあがってしまったのでしょうか?
天井川は、上流から流れてくる土砂や小石の量が、とくに多い特徴があります。ところが、昔の人は、それを無視して堤防をつくったために流れが滞りがちになりました。しだいに堤防の内側で土砂類がどんどん堆積し、川床は上昇。そのうち天井川になってしまったのです。
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