爆撃機に火災発生!上空での一か八かの賭けとは

世界中で激しい戦闘をくり広げた第二次世界大戦。1944年3月25日におこなわれたベルリン空襲もたいへん激しいものでした。
空襲に参加したイギリス空軍ランカスター爆撃機は、攻撃を受けて炎上。機長は乗務員に脱出を命じました。
だが、最後尾に搭乗していた空軍曹長ニコラス・アルキメードは、燃えさかる炎のためパラシュートをとりにいくことができませんでした。
残された道はふたつ。このままここで火ダルマになるか、運を天にまかせて飛びおりるか……。
アルキメードはもちろん、脱出の道を選びました。地上約5500メートルという高さから、パラシュートなしで飛びおりるのでは、命が助かるほうがおかしい。だが、それでも炎のなかでもがき苦しむよりはましです。
飛びおりたあとの彼には、まったく落下している感覚はありませんでした。風が吹いている雲のなかに浮かんでいるようだったといいます。そして足の下に星がみえ、頭から落ちていることを知ったのを最後に、意識は途切れました。
それから数時間後、意識を回復した彼は、自分がまだ生きていることを知りました。時速190キロでモミの林に突っこんだにもかかわらず、幾重にも重なった枝が衝撃をやわらげ、さらに46センチの積雪がクッションの役割をはたし彼は助かったのです。
アルキメードはドイツ兵に発見され捕虜になりましたが、彼の話をほんとうだと信じてもらうには、長い時間がかかりました。
ちなみに、発見された当時、彼の負傷は脚のやけど、膝の捻挫、背骨の骨折などかなりのものでしたが、いずれも飛びおりる前にできたものだといいます。これぞ奇跡の生還劇です。

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