最近はすっかり少数派ですが、ひと昔前まで女性の名前といえば「子」がつくのがふつうでした。
古代中国では、「老子」「孔子」など、偉人や学者の名前に「子」のつくことが多かったのですが、これは「子」が敬称だったためです。こうした習慣が日本にも伝わり、奈良・平安時代は、身分の高い男女の名前の末尾に「子」がつくようになりました。たとえば、男性では小野妹子、女性では文武天皇の妃になった藤原京子などがそれです。
江戸時代になると、それまでは貴族など一部の特権階級の女性にしかつけられなかった「子」が、武士の娘にもつけられるようになりました。
さらに、明治時代になると、士農工商の身分制度が撤廃されたため、「子」のつく女性は、明治26年は17%、同36年には37%、そして昭和8年には83%と急速に増えていきました。
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