献血した血液が輸血に使われるまで

献血した自分の血液が、知らない人の命を救う。それはそのとおりですが、あなたの血液が、だれかにそのまま輸血されていると思っているならば、それは正確ではありません。
たしかにむかしは、献血された血液が、輸血の必要な患者にそのままつかわれていました。もちろん、いまでも、大量の輸血が必要な場合などには、そのまま輸血されています。
しかし、現実には、病気によって、必要とする血液の成分は、限られているケースが多いのです。たとえば、貧血や外科手術には赤血球が、肝臓障害には血漿製剤が、そして血小板減少症には血小板製剤だけを必要としています。しかも、献血された血液をそのまま輸血すれば、患者の心臓への負担が重く、副作用の心配もあります。
そのため、いまでは、献血された血液は、まず、遠心分離機にかけて、赤血球、血漿、血小板に分けてから、保存することが多くなっています。また、そのほうが、献血されたひとり分の血液が、用途別に、いくとおりにも分けて利用できるというわけです。
といっても、血液は生もの。そのままの血液は、短いもので、採血後24時間。遠心分離機にかけた成分で、1年をすぎれば、安全な輸血の有効期間をすぎてしまいます。この期間をすぎれば、廃棄される決まりになっているのです。しかし現在、血液は廃棄されるどころか、足りない状態がつづいているといいます。

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