空位になっていたボクシング世界ヘビー級の王座をかけて、シュメリングとシャーキーが対戦したのは、1930年6月12日のことです。
この試合で前代未聞の珍事が起きました。
第4ラウンド終了直前のことです。シャーキーの猛烈なパンチがシュメリングのベルト付近をとらえました。ドスンとものスゴイ音をたて、マットに倒れるシュメリング。
このとき、残り時間数秒。からくもシュメリングはカウントダウンをまぬがれました。
ところが彼は倒れたまま起きあがれません。マットに倒れたまま、第5ラウンドが開始されようとしていました。そのときです。
ジャッジのひとりがシャーキーの第4ラウンドのパンチが低打の反則と主張、レフェリーもこれを認めてシャーキーに失格を宣言したのです。
それと同時にシュメリングの王座が決定。シュメリングはマットに倒れたままドイツ人初の世界ヘビー級チャンピオンとなったのです。われに返ったシュメリングは自分が逆転勝ちしたなんて信じられなかったにちがいありません。
しかし、因縁の対決はこのままでは終わりません。
その2年後、ふたりはふたたび対戦。このときは、逆にシュメリングに反則があり、シャーキーが王座を奪還したのです。
(Visited 438 times, 1 visits today)
Comments are closed