一流レストランは、味もさることながら、インテリアや照明にもかなり金をかけています。こうした店では、照明に蛍光灯ではなく白熱灯が使われているものですが、これはムーディな雰囲気をかもし出すだけでなく、料理をおいしそうに見せるためでもあります。
ある電機メーカーの実験によると、料理をおいしく見せる大事な要素である色の再現力は、白熱灯を100とすると、蛍光灯は88しかないそうです。蛍光灯はグリーンの波長が強いので、あらゆる物を緑がかって見せてしまうのです。
その点、白熱灯は太陽の自然光線に近く、色を実物と違って見せる心配はありません。それどころか、特に赤系の色をより鮮やかに美しく見せる効果があります。つまり肉、マグロ、エビ、それにトマトといった素材を使った料理は、実際よりもずっとおいしそうに見えるのです。
この理屈は家庭のダイニングでも同じです。照明を蛍光灯から白熱灯に替えれば、それだけで家族は奥さんの料理の腕が上がったと錯覚してくれるかもしれません。
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