転落の一途をたどった国王の末路は……

ホームレスはいつの時代も、どこの国にもいるものですが、ここまで立場が逆転して、ホームレスになった男はめずらしい。
「この者は、不運なかつてのアンダルシアの王なり」
こんな羊皮紙を背中につけて、物乞いをしている男がいました。しかも、両目ともつぶされています……。
背中の文字は、哀れみを買うためのウソではありません。彼は正真正銘の国王だったのです。
そのホームレスの男の名は、アブダラー・エス・ザガール。元グラナダのムーア国の王(在位1486〜91)です。
現役の国王であった彼は、その座がわずらわしくなったのか、とてつもない金額で「国王」をある人物に売ってしまいました。その金をもってアフリカに渡り、悠々自適、その後の人生を謳歌しようと考えたのです。
ところが、とんだ災難が彼を待ち受けていました。アフリカへいく途中フェズのベニメリン王に捕らえられ、両目をつぶされたうえに、全財産をとりあげられてしまったのです。
残された道は、ただホームレスのみ。一国のトップからホームレスヘ……これ以上の転落人生は、そうはありません。

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