「すし」を漢字で書くと、「鮨」と「鮓」と「寿司」の3つがあります。関東では「鮨」、関西では「鮓」が多く使われ、「寿司」は全国的に見られます。
3つの中で、中国の古い文献に出てくるのは、「鮨」と「鮓」の2つ。「鮨」は、紀元前5〜3世紀の『爾雅(じが)』という辞書に掲載され、魚の塩辛の意味で使われています。一方、「鮓」は、紀元1世紀末から2世紀の辞書『説文解字』では、魚の貯蔵品の意味となっています。さらに、2世紀未頃の書物には、鮓は「なれずし」のことという説明があるそうです。
ところが、3世紀頃になると、魚の塩辛の「鮨」となれずしの「鮓」が混同されはじめ、それが日本に伝わってきました。
日本では、平安時代から江戸末期まで、「鮓」のほうがよく使われていましたが、明治時代になってから、「鮨」が増え、関東は「鮨」、関西では「鮓」と使い分けられるようになりました。
ちなみに、「寿司」は縁起をかついだ当て字。おめでたい席で使われるようになり、全国に広がりました。
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