土は、何万年もかけて岩石が変化したもの。地表近くにある岩石が、空気や雨水などにさらされるうちに、物理的、化学的作用で粉々にくずされたものが土です。
これは「風化」という現象ですが、ここで疑問がひとつ。岩石はたいてい黒っぽいのに、土の色は茶色っぽい。もとは同じもののはず……なぜ色が違うのでしょうか?
それは、木の葉などの植物が腐食して堆積したというだけでなく、風化の過程で、岩石に含まれていた鉄分の「元素組成」が変化したからです。
岩石に含まれている鉄分のほとんどは、二価鉄。二価鉄は黒色なので、岩石は黒っぽく見えます。
しかし、二価鉄に水や酸素が加わると、酸化第一鉄や酸化第二鉄などに変化します。土に含まれているのはこれらの鉄で、どれも赤から褐色系の色をしています。だから土は茶色っぽいのです。
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